コペンデザイン開発ストーリー

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提案型デザイン開発により誕生した『デコレーションパネル』

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樹脂の魅力をより引き出すためのデザイン開発を担うグループに所属しており、グループの設立当初から業務に携わっています。

ダイハツのオープンカー型スポーツカー・コペンの誕生20周年を記念した特別仕様車にコペンの初期のテーマカラーであるアイボリーのデコレーションパネルを提案し、採用に至りました。

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お客様からの最初の要望は、「コペンの歴史を感じさせるような意匠にしてほしい」ということでした。提供されたコペンのイメージビジュアルを自分たちなりに解釈し、まずは「こんな質感や世界観を描いたらいいのではないか」という、4つのイメージを提案。その中でお客様とお互いのイメージにより近いものを選び、すり合わせ、サンプル作りに取り掛かりました。これまでは、お客様の具体的なニーズをもとにサンプルを作ることが多かったのですが、イメージの段階から提案することは、当社にとっても新たな取組みであり、デザイン開発グループの新しい可能性を感じさせる大きな一歩となりました。

デコレーションパネル

こだわったのは、アイボリーカラーの質感です。コペンはオープンカーですので、ルーフを開けて光を受けた時、まぶしすぎず、上質に見えるカラーを採用しました。塗料はメーカーに製作を依頼するため、意図をしっかりと伝えて、細かい部分を調整していただくことに苦労しました。
R&D本部は旗振り役なので、いつでもしっかりとした意図や目的、意思を持っていることが大事だと考えています。それは自社の技術部門に量産を依頼する際も同じです。結果的にコペンの20周年特別仕様車は、受注開始後、即完売する人気ぶりだったそうで、お客様にもとても満足いただける製品を提供することができました。

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これから自動車業界は電気自動車への移行過渡期に入るため、ますます新しい表現が求められます。環境に対しても、どういった材料を使って新しい意匠をつくっていくか、自分たちで課題を設定して取り組んでいるところです。良いものづくりをするために心掛けていることは、普段から常にアンテナを張っておくこと。なるべく現地で見て、ヒアリングをして、日頃からネタ作りをしています。最新技術だけでなく、工芸品など歴史のあるものから得るアイデアも大事で、先日は山口県へ萩焼を見に行きました。デザイン開発の仕事は、たくさんの工程があるためエネルギーも必要ですが、たくさんの人の協力があって初めて成り立つ分野なので、今後も人との繋がりを大事にしたデザイン開発をしていきたいです。